カテゴリー別アーカイブ: 会社設立コラム

会社設立と健康保険・厚生年金保険

会社は厚生年金に強制的に加入しなければなりませんが、これは強制的とは言え、それほど強制的ではないようで、加入しない会社もかなり多いようです。
これは厚生年金の保険料が高いからですが、無理にすぐに加入しなくても構わないようですが、加入が原則義務であることは覚えておきましょう。
また、健康保険も国民健康保険ではなくなります。
健康保険と厚生年金保険に関する詳しいことは管轄の年金事務所で詳細についての説明を受けるようにしてください。
その時に必要な書類は、健康保険・厚生年金保険 新規適用届と健康保険・厚生年金保険被保険者資格取得届書ですが、これらの書類は日本年金機構のインターネットサイトから入手することができます。
真面目にこれらの書類を提出して、担当者との話し合いがありますが、後日年金事務所から請求書が送られてくる仕組みになっています。
なお、健康保険と厚生年金保険は日常生活で必要になりますし、将来年金を受給する際に必要になりますから、できればきちんとした手続きを踏むことが望ましいことは申すまでもありません。
ただし、会社の代表取締役になっても、会社の社員数が少ない場合は国民健康保険が使えますから、このあたりについてはやや曖昧な解釈が存在するようです。
また、経営者のための失業保険のようなものもありますから、保険はお金に余裕があれば加入するほうが将来のためのセーフティネットになるようです。

会社設立と税務署への届出について

会社を設立する際には、資本金や自分が歩く交通費、印鑑や印鑑証明書その他の雑費は自分の財布ですが、公証役場での定款認証、法務局への設立登記にかかる費用などはすべて国の収入、すなわち税金と同じ意味合いがあります。
また、会社は設立後に利益を出すために業務を行いますが、その仕事で利益が出るとか出ないとかに関わらず、国(自治体)に納めなければならない税金があります。
つまり、会社は法人ですから法人税がかかりますが、これは個人でも住民税を支払うのと同じことです。
このようなことも含めて、会社を設立した後で最終段階として税務署に会社設立を届けなければなりません。
基本的には税務署に提出する書類は、法人設立届出書、給与支払事務所等の開設届出書、・青色申告承認申請書、源泉所得税の納期の特例の承認に関する届出書などですが、すべて国税庁のサイトからプリントアウトが可能です。
なお、これらの書類のほかに、定款のコピー、法務局で取得する履歴事項全部証明書、株主名簿設立時点での貸借対照表(これらはすべてコピーで可)も必要になります。
ここで貸借対照表という書類が出てきますが、これもインターネットのサイトから入手できますが、支出と収入が分かれば良いと言う程度です。
このように税務署に提出する書類はかなり多いのですが、税務署では新規の会社はお客様のようなものですから、分からないことは何でも税務署員に聞くようにしましょう。

資本金の払い込みと法務局での書類提出

会社には資本金が必要ですが、以前はこの資本金の下限が法律で定められていて、その額もかなりのものでしたが、今では1円からで良い事になりました。しかし、たとえ1円といえども資本金ですから、会社を設立する発起人は資本金を払い込まなくてはなりません。資本金の払い込みは発起人(自分)の通帳に記帳しますが、通帳の表紙、氏名や口座番号が記載されているページ、その入金が記帳されているページをコピーしましょう。
それから、払込証明書を作成しますが、これも定款と同じようにインターネットのサイトから無料で入手することができます。
この払込証明書の必要な事項を記入して会社の代表印を押し、この払込証明書に先ほどコピーをとった通帳の3枚をホチキスで止めて、各ページに割印を押します。
会社定款は別途作成して公証役場の認証を受けてありますから、これで会社設立はいよいよ最終段階に入ります。
まず、設立登記申請書を作成し、定款のコピー(およびCD)、会社印の印鑑届書(用紙は法務局にありますし、インターネットからでも入手できます)、発起人決定書、先ほどの払込証明書、実印の印鑑証明書などをそろえて、法務局の受付窓口に提出した段階で登記が完了します。
ここまでの手順で、様々な名前の書類が出てきますが、いかめしい名前でも記入する内容そのものは特に難しいものではありません。
ただし、誤字脱字や記入漏れ、記入箇所の間違いなどがあると効力がありませんから、充分に注意することと、分からない場合はそれぞれの窓口で担当者に質問をしましょう。
分からないことを訊くのは恥ずかしいことではありませんから、分からないままにしておくことが無いようにするのが肝要です。

今は、電子定款・電子認証が便利です

どのような種類の会社でも必ず必要になるのが定款で、従来は紙の文書が使われていましたが、今ではPDFファイルのCDで電子定款が作成でき、この電子定款での認証が可能になりました。
この電子定款の最大のメリットは印紙代が不要になることで、例えば定款を法務局に提出する場合、紙の定款ではそこに4万円分の印紙を貼らなければなりませんが、それが電子定款の場合は無料になります。
ただし、これを聞くと電子定款はお得なように思えますが、電子定款の作成はかなり煩雑ですから、慣れていない人だと大変かも知れません。
また、電子定款でも定款認証費(5万円)、と登録免許税(15万円)は必要になります。
次に電子定款作成の流れを説明しますが、ここでは細かい内容は省略します。
電子定款作成の流れは、①定款の内容を決めること、②PDFフォーマットで電子定款を作成します、③住民基本台帳カードを取得します、④公的個人認証サービスのための電子証明書を取得します、⑤ICカードライターが必要になります、⑥電子署名プラグインソフトを使ってPDFの定款に署名をします、⑦あらかじめ公証役場と打ち合わせをします、⑧電子申請を行います、⑨公証役場で認証を受けます、⑩法務局で法人の設立登記を行います。
この上記10のステップが電子定款には必要ですが、これが4万円の印紙代の節約と見合うかどうかは個々の判断になるでしょう。
しかし、PDFの作成ができる程度のパソコンの技術がある人であれば、割合簡単なのが電子定款ではないでしょうか。

株式会社の定款について

会社にはその会社の身分証明書のような定款という書類が必要になりますが、定款はいわば会社という法人格の素性を明らかにするものと考えれば良いでしょう。
すなわち、その会社がそのような名称で、どこに所在し、何を業務の目的にするかなどを明記したもので、これが法律に抵触しないかどうかを法務局が認証するための書類です。
したがって、株式会社の定款には、以下の事項を明記することが義務付けられています。
なお、今では電子定款が認められていますので、インターネットのサイトで無料の定款の雛型を入手すれば、大概の場合は間に合うでしょう。
ここで定款に記入が必要な事項を示しますが、それは、①会社名、②事業の目的(例えば広告代理店など)、③発起人(自分)の氏名、④会社の所在地(自宅でもかまいません)、⑤資本金の額(1円~)、⑥発行株式の価格と発行数、さらにその上限(1円、100株、100万円など)、⑦事業年度(例えば4月1日など)、⑧取締役の任期(10年など)、⑨定款の作成日、などで、詳しいことはサイトの雛型の説明で分かるでしょう。
なお、この定款は作成しただけでは何にもならず、必ず公証役場に持ち込んで、審査・認証を受けなければなりませんが、この認証には数万円が必要になります(収入印紙)。
無事に公証役場で認証してもらえれば、ほぼ会社は設立されたことになりますが、電子認証の場合はPDFのCDを受け取る必要がありますので、念のため申し添えておきます。

株式会社にはいくつかの印鑑が必要です

日本は印鑑の国ですから、会社設立にはどのような種類の会社であっても印鑑類が必須です。この会社設立および設立後の実務に使用する印鑑類は、すべて法律で規定された条件のものでなければなりません。すなわち、三文判やシャチハタは不可だということになります。
では、どのような印鑑でなければならないかですが、これは自分で調べるよりも街のはんこ屋さんなどで、その旨を伝えればいくつかのパターンを提示してくれますし、インターネットのサイトでも取り扱っていますから、ここで細かいことは省略させていただきます。
会社設立に必要な印鑑には、実印、会社印がありますが、実印は個人のもので、会社印とは別のものになります。
例えば○○○○という氏名の場合は、姓の○○の印鑑が本人の実印になり、役場で印鑑登録をして、印鑑証明書を取得します。
また、△△株式会社、あるいは株式会社□□という場合は、会社名ではなく、代表取締役という会社印で構いませんし、場合により既製品でも間に合いますが、これも印鑑証明が必要になります。
さらに、会社設立や設立後には法人(会社)の口座を銀行で開設しますが、この口座開設用の印鑑は、代表取締役などの会社印で兼用することができます。
以上が必要な印鑑ですが、ついでに会社名、会社名と本店住所、電話番号などのゴム印とスタンプも用意しておけば完璧でしょう。
なお、これらの印鑑は保管方法に気をつける必要があり、破損あるいは紛失、さらには実印と会社印の取り間違えをしないように気をつけましょう。

自分で株式会社を設立する流れについて

会社、それも株式会社を設立しようと考えておられる方に、簡単にですが会社設立の流れをご紹介します。
順序は多少前後するところがありますが、おおまかな会社設立の流れは、実印用の印鑑の作成と印鑑登録から始めます。必要な実印は三文判やシャチハタは不可で、規定に沿った印鑑が必要になりますから、はんこ屋さんでその旨を伝えて作ってもらいましょう。
次に、会社の定款といういかめしい書類を作成しますが、これは今ではインターネットで雛型がダウンロードできますから、これを利用しましょう。なお、電子定款が紙の定款よりややお安くできるようです。
この定款はそれを認証してもらうために公証役場に行かなければなりませんが、空いていればその場で認証が貰えます。ただし費用はかかります。なお、電子定款の場合はCDを貰わなければなりません。
それが終わったら資本金を払い込みますが、最低1円からで、この振り込み記録をコピーして資本金払い込み証明書にします。
これからが最終段階になりますが、これまでの書類や払い込み証明書などを法務局に提出しますが、記入事項に不備があれば後日補正が可能ですから心配は要りません。
ここまでで、会社設立自体は完了します。
次にしなければならないことがありますが、それは税務署関係です。
所轄の税務署に、法人設立届出書、給与支払事務所等の開設届出書、青色申告承認申請書源泉所得税の納期の特例の承認に関する届出書を提出しますが、これらの種類は国税庁のインターネットサイトからプリントアウトができます。
なお、このほかに定款のコピー、履歴事項全部証明書、株主名簿、設立時の貸借対照表なども提出しますが、履歴事項全部証明書は法務局で取得できます。

会社設立を代行するところもあります

株式会社は誰の手も借りないで、自分一人で設立することができますが、それには自分で足を運んだりする以外に書類の整備をする必要があり、忙しい場合にはこれが意外と面倒なことがあります。書類が山ほどあるわけではありませんが、書式や記入方法、記入内容に誤りがあると、その訂正や修正にも手間がかかります。
そのようなことは何しろ初めて会社を設立するのですから、分からない部分もでてくるでしょう。
そのような時に、費用はある程度かかりますが、株式会社設立を代行するサービスがあります。多分ご存知かと思いますが、会社設立代行というキーワードでインターネットにアクセスすればいくつものサイトがありますから、そこから選ぶことができます。
ただし、会社設立代行サービスはお安いように見えますが、これは登録その他に必要な費用(印紙代)その他の実費は含まれていませんから、その点については注意が必要です。
つまり、このようなサービスは書類の用意や記入の仕方などの代行であり、全部の作業が代行で間に合うようなことはないと思いましょう。
そうは言っても会社設立代行サービスは、利用の仕方次第ではかなりの部分で自分の手間と時間をセーブすることができるでしょう。また、記入方法で迷ったり、ミスをしたりということがなくなりますから、スムーズに会社が設立できると思います。ただし、基本的には自分で動いた方が会社設立の実感はあるでしょう。

株式会社は一人で設立できます

株式会社を設立しようと思い立った場合、以前は何人かの発起人の承諾と印鑑を集めなければなりませんでしたが、今ではその必要はなくなりました。つまり、発起人が1名でも株式会社が設立できるのです。
これは有難いことで、これで株式会社設立はずいぶん楽になったといえます。発起人決定書があればOKなのですが、この雛型はインターネット上にいくらでもありますから、それを使うことができます。
また、付随しての情報ですが、株式会社に必要な定款などもサンプルがインターネットにありますから、それを使い、内容を一部変更するだけで間に合うでしょう。
あとは印鑑類の用意がありますが、これは街のはんこ屋さんでも構いませんし、インターネットで注文もできますから、それほど面倒なことではありません。
なお、会社設立では定款という書類に最寄りの公証役場の認証をもらわなければなりませんが、公証役場の公証人によっては、これでは認められないと言われるかも知れません。そのような時には別の公証役場へ行けば意外とあっさり許可をしてくれたりもします。
あとは法務局の認証や法人の銀行口座開設などですが、法務局の認証は今ではインターネットでの電子認証が便利で、費用も安くなります。
もちろん最終的には所轄の税務署へも書類を提出しなければなりませんが、最近の税務署は親切ですから書類の不備なども修正してもらえるでしょう。

一番簡単に設立できるのは株式会社です

会社は呼吸をしたりはしませんが、個人に人格があるように会社には法人という人格があります。ですから会社は法人と呼ばれますが、これはどのような形態の会社でも同じです。
そこで株式会社、合同会社(LLC)、合名会社、合資会社の4つのうちで、どれが一番簡単に設立することができるかと言いますと、やはり株式会社が一番手早いようです。ただし、簡単とは言ってもひとつの法人格を新たに作るのですから、そのためには様々な手続きや書類、印鑑類などと、登記費用その他の実費が必要になります。
また様々な手続きは自分で動かなければなりませんから、現在会社に勤務しているような場合は所定の場所へ足を運ぶ時間を何とかして作らなければならず、この点ではやや手間がかかります。また、株式会社は1円で設立することができるというのは資本金が1円からという意味であり、会社設立が1円でできるわけではありませんから、この点は誤解のないようにしましょう。
株式会社を設立するためには諸々の費用が発生しますから、その分はきちんと計算に入れておくようにしてください。
また、合同会社(LLC)も悪くはないのですが、そのほかの合名会社や合資会社は出資者が2名以上という規定があることと、そのいずれかが辞めたいとなると会社の存続に支障がでたりしますから、あまりお勧めできないのが実際のところです。
そこで普通には会社設立と言いますとやはり世間の通りがよくて、初期の必要な費用も比較的少なく、将来の会社規模拡大を考えると株式会社の設立ということになります。